昭文社「トリセツシリーズ」最新刊、『滋賀のトリセツ 地図で読み解く初耳秘話』、2021年5月28日(金)発売です。
地図をもとに各地域の歴史や文化を読み解いていくという本なので、観光視点で書かれたガイド本なら当然登場するような観光地が完全にスルーされ、住んでいる人でも「へぇ~」って思ってしまうトリビア的な内容が盛りだくさんの面白い本です。
滋賀のトリセツ
当ブログから「飛び出し坊や・とび太くん」の写真を提供。本を頂いたので近江八幡市に関するところを中心に紹介します。
本の概要・構成
出版情報
- 出版社:昭文社
- 発売日:2021年5月28日
- 判型:B5変・128ページ
- 価格:1,980 円(税込)
構成
2021年5月末現在で、25都道府県版が発売されています。目次を見ると、発売時期によって若干タイトルが違いますが、基本的に同じ構成となっています。
- 地図で読み解く滋賀の大地
- 滋賀を走る充実の交通網
- 滋賀の歴史を深読み!
- 滋賀で育まれた産業や文化
各章について近江八幡市に関する内容を中心にざっくりと紹介します。なお、内容紹介の箇条書き部分についてはマップル(昭文社)の公式ショップから、ほぼパクらせていただいています。
1.地図で読み解く滋賀の大地
内容紹介
- 近江はいつから始まった?近江と呼ばれるワケ
- 近江盆地の地形と気候
- 琵琶湖はいつできた?
- 「琵琶湖八景」と「近江八景」の違い
- 琵琶湖に浮かぶ四つの島々
- 琵琶湖に流れ込む川は約450本もあった!
- 京都を復活させた琵琶湖疎水
- 琵琶湖以外にも湖、あります。湖だけじゃない滋賀を囲む山々
- 滋賀県の温泉
- 「津」がつく地名が多いのははぜ?
- 「両側町」という形をとり「大津百町」と呼ばれた。
- 京都・三重・岐阜・福井と隣接する三県境
当ブログで関係する記事を紹介します。
琵琶湖最大の島「沖島」への行き方
琵琶湖八景の一つ「春色 安土・八幡の水郷」
大中の湖干拓地
2.滋賀を走る充実の交通網
内容紹介
- 「制するものは天下を制す」といわれた瀬田の唐橋の重要性
- 「道の国」とも呼ばれた近江のさまざまな街道と宿場
- 鉄道や国道が「草津川」の下をくぐる必要不可欠なトンネル
- 琵琶湖上をかける外輪船、初めて浮かんだのは「一番丸」
- 揖斐川と琵琶湖をつなぎ1トン級の船舶を通す「日本横断運河計画」とは?
- 「夢のかけ橋」と呼ばれた琵琶湖大橋
- 私鉄開業ブームで伸びる私鉄網
- 時速130キロメートルで運行される「湖西線」
- 観光と輸送の主要駅である「米原駅」と「草津駅」
- よく見かける飛び出し坊やは東近江市生まれだった!
近江八幡市に関連するのは「朝鮮人街道」とか「武佐宿(中山道)」、武佐から八日市へと延びる「八風街道」。
日本横断運河計画とかあったのか。当時は大まじめだったんだろうけど、海水ー淡水ー海水を繋ぐってのは環境問題を考えたら現代では完全にアウトでしょう。そう思うけど未だに敦賀と大阪を繋いで阪敦運河構想とかもあるらしい???
私鉄では近江鉄道も紹介されています。
近江鉄道八日市駅が待ち合わせ駅で登場
そしてなんと言っても『飛び出し坊や・とび太くん』です。
69ページに掲載されているとび太くんの写真12点を提供させていただきました。「0系オリジナルとび太くん」の写真を除いて全てです。
残念ながらカットされた写真も含め、その他のとび太くんを見たい方はこちらをどーぞ。
3.滋賀の歴史を深読み!
内容紹介
- 遺跡から見る古代の近江のすがた
- 滋賀県は首都だった。天智天皇が遷都した近江大津宮と紫香楽宮
- 日本の仏教史において重要な「近江」、天台宗は比叡山で開かれ都道府県別寺院1位!
- 自治組織としての「惣」と「近江商人」、伊藤忠兵衛の活躍
- 種子島から国友に伝えたとされる火縄銃
- 戦国の二大決戦「姉川の戦い」「賤ヶ岳の戦い」
- 滋賀県の城と武将たち
- 歩兵連隊が所在し「軍都」と呼ばれた近江の戦争遺産
「近江商人」のひとつ「八幡商人」の様子を知るにはこちら。旧市街の新町通りを歩くと近江商人屋敷がいくつもあります。
「五個荘商人」と言えばこちら。ドラマや映画のロケ地として使われることも多いです。
日本一有名な戦国武将・織田信長、近江八幡市には安土城址など関連する場所も多くあります。
安土城についてはこちら
八幡山城、豊臣秀次については全く触れてもらえず。
4.滋賀で育まれた産業や文化
- 近江にもたらされ、広まった土器の技術
- 彦根藩の特産となった「浜縮緬」と生産量世界1位の「レーヨン」
- 大企業が進出、工業団地がたくさんあります
- 近江神社いろいろ、「祭り」もいろいろ
- 1万年前から続く「湖の幸」と外来種の襲来
- 外国人が造ったレンガ造りの田川カルバート
- 天候と土地の広さから競馬と密な関係にある滋賀県
- 青土のダム穴/「鳥人間コンテスト」はなぜ始まったのか?
- スポーツが盛んな滋賀県
- 大型ショッピングモールが完成、敷地のほとんどが駐車場
交通の要となる立地、起伏が少ない、自然災害が少ない、大阪京都の大消費地に近い、広大な農地を転用可能など、滋賀県は大企業の工場が非常に多いです。工場見学をしているところも多いです(今は新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止しているところもあります)。
工場に関しては近江八幡市はあまり強くありません。最近でこそ「たねやグループ」が成長して「ラコリーナ近江八幡」が県内最大の集客施設になってますが、これは地元企業なので、大企業の進出とは別かな。
近江八幡近郊の工場見学だと、
祭りでは「左義長まつり」が紹介されています。
スポーツ選手では乾貴士さんが登場してます。ただ出身校で紹介されているので、野洲高校・野洲市にされてしまいました。
じゃあ楽天の則本昂大さんは?ってなると、多賀少年野球クラブで多賀町。そこは八幡商業じゃないの?
近江八幡市だとシンクロ(アーティスティックスイミング)の乾由紀子さんや、モーグルの伊藤みきさん(近江兄弟社高校、出身は日野町)もいるけど残念ながら紹介されず。
競馬のところで賀茂神社の足伏走馬などが紹介されています。
三井アウトレットパークの紹介の隅で、滋賀県の総合スーパー「平和堂」が紹介されていて、平和堂近江八幡店の写真が。その店舗は既に壊されてマンションになってるんだけど、なぜよりによって近江八幡店の写真が使われたのでしょう?
これで終わりかと思いきや、最後の最後で「近江八幡を愛した建築家 ヴォーリズの軌跡と作品」としてウィリアム・メレル・ヴォーリズの人物紹介、ヴォーリズ建築が紹介されています。
まとめ
「滋賀のトリセツ」の内容から近江八幡市に関する部分を中心に紹介しました。このシリーズの特徴は「各地域の歴史や文化を読み解く」ということで、滋賀県民でもよく知らないようなマニアックな場所や歴史が多く紹介されていて楽しめます。滋賀の魅力を再確認できます。
他の都道府県版を見てないので何とも言えないですが、滋賀県ほどネタが豊富な県って少ないと思うのですがいかがでしょう?「滋賀県って琵琶湖だけでしょ」なんてことはありません。
一方で、観光ガイド本では必ず出てくる三井寺、八幡堀、ラコリーナ近江八幡、メタセコイア並木などはほとんど登場しません。
近江八幡市だけでもネタが豊富で1冊作れそうなレベルなので、ちょっとこのページ数では足りなかったんじゃないかって気がします。
『近江八幡のトリセツ』になれるよう、当ブログももう少し充実した内容になるように努めます。
近江八幡市PR動画はこちら
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